オートレース ビギナーガイド

オートレースであってはならない不適正発走(スタート事故)

2020-06-23

こんにちは AutoRocker KIYOです。

今回はオートレースにおける不適正発走について解説します。

スタートはその後の展開を左右するくらい重要です。

そこで不適正発走が起こったら他の出走メンバーや観ているファンに迷惑をかけることになります。

本題に入る前に、スタートになくてはならないスタートラインと発走合図機(大時計)の説明から入りたいと思います。

スタート位置にあるもの

スタート位置のカメラは
省略しています。

スタートラインは0㍍から10㍍毎に引かれています。

頭上にカメラが等間隔に並んでいますが、これは補助ラインに前輪を付けているかを確認するためです。

黄色の長方形は赤外線センサー
実際は走路の外側にありますが
説明用に回避地帯上に載せてあります。

スタートラインは太い線と細い線が並んで引かれていますが、細い線は前輪を付けるための補助ラインで、太い線が本来のスタートラインです。

ラインの両側に赤外線センサーがあり、このセンサーでスタートタイミングやフライングを検知しています。

発走合図機(大時計)の説明

発走合図機は下のイラストのようになっています。ここではそれぞれの役割を解説します。

10秒前から右側の青ランプが上から1個ずつ消えていきます。

5秒前から時計盤面の針が半回転し、真上を指すタイミングでスタートを切ります。

上部の黄色ランプ3個はエンジン始動指示用で、ピットから押し掛けで走路に出てくるようになった現在では殆ど使われていません。

発走合図機(大時計)

さらに上部には1から8の数字があり、これはフライングをやった車番号を表示します。

左側の赤ランプ5個が点滅したときは、事故発生を知らせます。
フライングのほかに、競走中の落車事故で競争を中止させるためにも使われます。

スタートが正常だったときは、時計盤面の中央が白と水色のチェック模様が表示されます。

発走合図機は1989年に全レース場に導入されましたが、それ以前は手旗で発走合図を送ってスタートしていました。

発走合図機が故障した場合は、手旗を使うこともあります。

スタート事故の種類

スタートにおける事故は5種類あります。

いずれも事故を犯すと勝ち上がり権利がなくなってしまいます。

正常なスタート体制を真横から見たイメージ
補助ライン上に前輪を乗せる
前輪の先端がスタートラインからはみ出さない
スタートライン上にはセンサーが通っている
(黄色の線)

フライング

5秒前から動く針が真上に来る前にスタートしてしまう行為を指します。

図は5号車のフライング

出残り

他車がスタートしても発走できない状態を指します

前方のハンデが軽い選手がスタートできなかったとき、後方のハンデが重い選手が避けきれずに追突する事故にもつながってしまいます。

図は2号車(黒)が出残り
5号車(黄)は2号車を避けきれずに…

後方スタート

スタート1秒前
補助ラインに前輪が接地されていない

スタートは正常に見えるが
勢いがついたせいで早く見える

スタートラインに前輪を付けずに、針が真上に来る前にスタートしてしまう行為を指します。

針が真上に来る前でもスタートラインのセンサーはフライングを検知できません。

しかし、スタートライン上の監視カメラでチェックされています。

スタート戒告

スタート1秒前
補助ラインに前輪が接地されていない
スタートは正常でも
これはあってはならない

スタートラインにタイヤを付けずに発走してしまう行為は後方スタートと同じですが、針が真上に来るタイミングでスタートしているので正常に見えます。

異常発走

スタート直後に落車などの事故が起こる状態を指します。

落車した場合は出走停止となります。

このとき、他者を巻き込んでしまう恐れがあります。

罰則規定

フライング、出残り、異常発走は、翌日以降の勝ち上がり権利が無くなります。

後方スタートは翌日は罰則休みとなります。

開催最終日に罰則に該当した場合は、次の出場機会は罰則の適用はありませんが、何らかのペナルティーがあると思います。

また、グレードレースの優勝戦においてフライング、出残り、後方スタートをやってしまうと罰則がさらに厳しくなります。

SGレースの優勝戦では、そのレースに限り次回の出場権利がなくなってしまいます。

不適正発走を繰り返すと…

フライングと出残りをした場合は再発走となりますが、これを一人の選手が2回やらかすと出走停止になってしまいます。

さらに、再発走を合計4回やってしまうとそのレースは不成立になってしまいます。

理由は再発走の繰り返しでクラッチ部分のパーツに不具合が生じるため、もう一つは後のレースの発走時刻の遅延につながるからです。

まとめ

レースでは勝負が懸かっているときは、スタートは先行して主導権を握りたいものです。

スタートが勝負のポイントとなれば、整備や練習で事故は回避できます。

一度フライングを切った選手は再発走では慎重になって出遅れてしまいますが、勝ち上がり権利がなくなっても勝負を捨てずに飛び出す選手もいます。

「位置について」「用意」「ドン!」から始まる物語を楽しんでみてはいかがでしょうか?

以上、 AutoRocker KIYO でした。

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